こんばんは、とりです。
この話は【視線】の僻地にある古い家に住んでいたころの話です。
そこは、山や林・田んぼや畑に囲まれた地域で、昼には猿の集団が見られ、夜にはシカやタヌキ、イノシシなどが家の周りでみられるような田舎です。
この家に引っ越して、2~3か月たったころで、床の間の視線の主との話のあとに起こったことです。
田舎なこともあって、寝る前に戸締りの確認とかはしていなかったので、たまに窓のカギが開いているなんてことも、よくありました。
しかし、その夜は違いました。
その日は、戸締りを確認しなければならなかった。
寝る前に必ず確認しなければいけないと思ったのです。
それもなぜか、庭に面した窓だけを。
次の日の朝、わたしは5時前の早朝に目が覚めてしまいました。
なんだ、まだ寝られる、、
と思ってウトウトしかけたとき、外から子供の声が聞こえてきました。
こんな朝早くに何やってるんだろう?
虫取りとかかな、、?
と目は閉じたまま、ぼんやりしながらそう考えていました。
しばらくすると、その声がだんだんと私の家の方に近づいてきました。
じゃりじゃりと家の周りにひいてある砂利を踏む音が聞こえてきました。
その音が、わたしが寝ている部屋の横でガヤガヤと複数人の子どもの声とともに聞こえてきました。
庭に虫なんているのかな、、、?
と思っていると、わたしが寝ている窓の横に子どもたちが建っている気配がしました。
何してるのかな?こんなとこで?
でも、今日はカギが閉まってるから入ってこれないわ。
よかった~。
と思ったと同時に、外にいる子供たちが
「ここは入れないね」「入れないね」「ダメだね」
と口々に言いだしました。
「じゃあ、次の家に行こう」「行こう」
そうして、隣の家の方へと去っていきました。
わたしはそこで、ハッと目が覚めました。
今のは何だったの?夢?
なんとも不思議な感覚でした。
この子供たちとの因果は分かりませんが、数か月後に隣の家のおじいさんが亡くなりました。
今でも不思議です。
なぜあの夜、いつもならしない戸締りを確認したのか。
なぜあの時、入ってこれないからよかったと思ったのか。
もしも、カギが開いていたらどうなっていたのか。
あの子供たちが家に入ってきていたら、何が起こっていたのか。
そして、
この子どもたちがM県のアパートに住んでいた時
わたしの子どもを連れて行こうとした【おんなのこ】なのではないかと
時々考えてしまいます。